以前映画版の「キャリー」を観たことがあった。ひどいいじめを受ける女子学生の悲しい復讐劇という印象。
最近、クロエ・モレッツ主演のキャリーを見る機会があった。演出が現代的。でもどうだろうか、悲しさや悔しさといった感情が足りない気がした。
思えば、古い方の「キャリー」はクロエほど端正ではなく、美人とは言えなかったがスティーブン・キングの原作を再現したような雰囲気を漂わせていた。
プロムの晴れ舞台で豚の血を浴びせられるという質の悪いいじめっ子たちの演出はどちらのキャリーにも共通しているが、画質が鮮明ではないところとヒロインの雰囲気がすごく陰に寄っているところもあって、あの静かな悲しさと絶望を見た時はグッと来るものがあった。
クロエ版の方がグロいシーンと引き換えにちゃんと復讐する感じがあって、そこの感情に関しては痛快なところがあった。でもカッコ良い超能力者のヒロインが振る舞っているようで、演出が明るくてかっこよすぎる。
原作は悲しみと悔しさで怒りの炎を燃やし始め、やがては会場全てを焼き尽くすという演出だった。特定の誰かに復讐というよりも、その場全体ひっくるめて燃やしてやるよ、という。
スティーブン・キングの作品を映像化するのは難しいと言われてきたが「IT」といい映像の技術が最近格段に向上してきているのを感じる。
キャリーはどちらもありだと思ったけど今の映画を見慣れている人はクロエ版をおすすめする。たぶんとっつきやすい。昔のはゴシック・ホラーと言った感じで古さを感じるが古典的な怖さを感じれるので今見ると逆に新境地を開けるかもしれない。